1979年12月8日。
関西で精神療法実践の草分けとしてクリニックを開設した日です。
その日が第二次世界大戦参戦の日であった事は、偶然の一致だったのですが、私の意識下には物質優先の医療社会に戦いを挑む姿勢が少なからずありましたので、私の意図には似つかわしい日だったことでしょう。
開設するに際しては多くの方々の強力な援助がありました。とはいえ、前途の予測は安穏としたものではありませんでした。
(1) 国民皆保険の我が国医療社会にあって、自費診療をする困難さ。
(2) 効果の判定が具体化しにくい精神療法を、医療として行う困難さ。
(3) 1~2年、時には数年間におよぶ治療を、果たして何人の患者さん達が望み続けるか。
こうした諸々の課題がうずたかくありました。
実際、保険診療の中でさえ、精神科診療所は経営困難の課題を抱えていたのでした。「そんな中にあって無謀な!」との叱責をも、実は多くの先輩諸兄にいただきもしました。
その日から20年経過しました。 (現在は38年 2017.12.8現在)
今では職員も大幅に増え、保険診療も行なえるようになりました。
クリニック開設時に、待合い室にかかげていた以下の「ご案内」は、今は小さな歴史的記念物になりました。